ねぇ、先生。
「…いいの?先生のくせに」
あなたはとめないの?
先生に恋するなんて間違ってるって、そんな感情捨てろって、言ってくれていいんだよ?
中村さんが字を書いてた手を止めて、呆れたようにフッと笑う。
「止めて欲しいのか?」
…そういうことか。
中村さんはあたしが欲しがってる答えを知ってて、言ってるんだ。
「…分かってて言ってるんでしょ。」
「だから言ってんだろ、お前分かりやすいって。背中押してほしかったことくらい分かってる。」
「…中村さん、今とめなきゃ後でめんどくさいことになるかもしれないよ?」
そう言ったあたしをチラッと見た後、伸びをして笑った。
「そうなったらそうなった時だ。心配すんな、俺が味方してやる。」
担任が中村さんで良かったと思った。
こんな風に背中を押してくれるのは、きっと中村さん以外にいない。
先生なら普通反対する。