ねぇ、先生。
「教師として、この気持ちは抑えるつもりだった。だからあのときも断った。」
手をキュッと握られて、視線を上げると先生がふにゃんと笑う。
「ほんとは俺も好きだって言いたかったし、抱きしめたかった。」
こんな風に笑う先生の緩い空気が好き。
「…咲良さんがここに来なくなって、ほんとに後悔した」
あたしもね、後悔したよ。
告白なんてしなきゃよかったって。
言わなきゃ今まで通りここに来て先生に会えてたのにって。
「もし教師辞めることになっても、構わない。だから、傍にいてくれない?」
今日ここに来てよかった。
「傍にいさせてください…っ」
きっとあたし、今世界で一番幸せだよ。