ねぇ、先生。

ポツリと小さく呟いたから、落ち込んでると思ったんだろう。

振り返った中村さんは

「協力しないとは言ったけど、俺はお前の味方だから心配すんな。」

なんて言って行ってしまった。


今さらだけど、あたしと先生の関係が絶対にあってはならないものだと実感した。

バレたら先生はこの学校を辞めなきゃならなくなる。

それどころか、先生という立場までなくなってしまうのかもしれない。

…先生はその覚悟があってあんなことを言ったのかな。


ペットボトルの周りにはジワジワと水滴が出てきて地面に落ちた。

温くなっちゃったかな。

せっかく先生に差し入れするんだから、これ以上温くならないうちに持っていこう。
< 148 / 451 >

この作品をシェア

pagetop