ねぇ、先生。
「ほんと、変な質問だね」
変な質問だって言うくせに落ち着いてるところはやっぱり大人だ。
時々こんな風に年の差ってやつを感じることがある。
「俺は咲良さんのこと彼女だと思ってたんだけど、咲良さんは違うの?」
期待してた答えが返って来て、頬が緩むのが分かった。
あたしは先生の″彼女″なんだ。
「だって、付き合おうって言わなかったでしょ?普通の人ならそれで納得するけど、相手が先生だから…」
変わってるんだからね?
「あれ、言わなかったっけ?」
「言ってないよー」
「そっか、言ってないか」
じゃあ改めて、なんて言ってふにゃんと笑うと体ごとあたしに向き直る。
「俺と、付き合ってください」