ねぇ、先生。

｢これからもずっと茉央ちゃんと一緒にいられるように、頑張るよ｣

こんなに甘いセリフをサラッと言ってしまう彼は、多分少し天然が入ってるんだと思う。

…そんなことより…

｢せ、先生、今茉央ちゃんって…！｣

｢んふふ、茉央ちゃんでしょ？｣

恥ずかし気もなくあたしの名前を呼んで、自分の名札をトントンと指で叩く。


｢…何？｣

先生の言いたいことは分かる。

だって指差してるのは″蓮″っていう自分の名前だから。

｢呼んでくれないの？｣

｢呼ばないですよ｣

｢ずっと先生って呼ぶつもり？｣

｢…そのうち、名前で…｣


そのうちか、なんて言ってふにゃんと笑った先生はきっとあたしの反応を見て楽しんでるんだ。

きっと時間がかかる。

あっという間にこの関係になったから、慣れるまでに時間がいるもん。

…それを言ったらきっと先生は、それでもいいよ、なんて言って優しく笑うんだろうな。