ねぇ、先生。
「…何かあった?」
…何かって、何?
あたしを見つめるシロの目が、全部見透かしてるように見えて怖かった。
いや、バレるような言動も行動もシロの前でした覚えはない。
…だったら、何のことを言ってる?
「…いきなり何?」
先生とのことを言われたらどうしよう、なんて考えれば考えるほど、シロの顔を見れなくなる。
「いきなりっつーか、お前さ…」
何となく、嫌な予感がした。
ジワリと汗が滲む。
「まーおっ」
シロが口を開きかけたとき、後ろからドンっと衝撃が走った。
「わっ、何だ梨花か。びっくりした」
「ちょっと話したいことあるから、一緒に帰ろうよ!」
「え?」
梨花とはこんな風に言わなくても一緒に帰るのに、何で…
「あ、白城くんごめんね。急いでるからまた新学期に!」