ねぇ、先生。

――――――
―――――――…

どれくらい寝たんだろう。

頭をフワフワ撫でられる感覚。

優しい手と、たまに窓から入ってくる風が心地よかった。


「ん……」

まだまだ意識はぼんやりしてるけど、ゆっくりと目を開ける。

「起きた?」

「え…?」

優しい声に段々と意識が覚醒してきた。


「気持ち良さそうに寝てたから、起こすの可哀想だなーって思って起こさなかったんだけど」

寝顔見れたからいいや、なんて言ってふにゃんと笑う先生がいて。今置かれてる状況を把握しようと飛び起きた。

さっきあたしの頭を撫でた優しい手は先生のもの。そう思うと何だか急に恥ずかしくなってきた。

「あはは、顔真っ赤だよ?」

寝顔を見られたことと、先生が来たことにも気づかないくらい熟睡してたこと。


「ごめんね、遅くなって」

「あ、いや…だって別にここに来る約束してたわけじゃないから」

「うん、でも多分来るだろうなって思ってたから」
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