ねぇ、先生。
「ん、約束」
小指を差し出す姿はとてもじゃないけど先生には見えない。
嬉しそうに笑うから、小指を絡める以外に何も考えられなかった。
「約束したから、ちゃんと来てね」
「でも、美術部の子達がここ使ってる日もあるでしょ?」
「んー、大丈夫。夏休みも変わらず火曜と木曜は部活ないから」
だからいつでも来ていいよ。あたしにはそう言ってるように聞こえた。
「…じゃあ、誰にも見つからないようにこっそり来ます」
「んふふ、そうだね。見つかっちゃまずいもんなー。」
「他人事過ぎですよー」
「そう?大丈夫だよ、きっと見つからないから。茉央ちゃんなら大丈夫」
こんな風に言われたら、絶対見つかるわけにはいかないなぁ。