ねぇ、先生。
――――――
―――――――…
「お前俺のことナメてんのか」
「そんな…滅相もございません」
体育準備室につくと、見るからにイライラしてる中村さんがいた。
「時計見てみろ」
「ね、ずいぶん時間が…」
「お前の進路相談だぞ?分かってるよな、お前の、進路相談だ。」
「分かってるよー…」
さっきまで結構大変な状況にいたんだぞ、なんて言えるわけない。
「ったく、何してたら進路相談忘れんだよバカ。」
「それは……」
篠原先生といたからで。それを考えると頬に熱が集まるのが分かった。
それを見て、中村さんはため息。
「お前…」
ゴスッと音がして、頭頂部にジンジンと痛みが走った。
「いたっ……ちょっと、中村さん痛い!」
「顔が緩んでんだよ。」
資料をドンッと机の上に置いた後、それをトントンと指で刺す。
どれも大学の資料で、何だか中村さんに申し訳なくなった。