ねぇ、先生。

――――――
―――――――…

「お前俺のことナメてんのか」

「そんな…滅相もございません」

体育準備室につくと、見るからにイライラしてる中村さんがいた。


「時計見てみろ」

「ね、ずいぶん時間が…」

「お前の進路相談だぞ?分かってるよな、お前の、進路相談だ。」

「分かってるよー…」

さっきまで結構大変な状況にいたんだぞ、なんて言えるわけない。


「ったく、何してたら進路相談忘れんだよバカ。」

「それは……」

篠原先生といたからで。それを考えると頬に熱が集まるのが分かった。

それを見て、中村さんはため息。


「お前…」

ゴスッと音がして、頭頂部にジンジンと痛みが走った。

「いたっ……ちょっと、中村さん痛い!」

「顔が緩んでんだよ。」

資料をドンッと机の上に置いた後、それをトントンと指で刺す。

どれも大学の資料で、何だか中村さんに申し訳なくなった。
< 184 / 451 >

この作品をシェア

pagetop