ねぇ、先生。
「お前が言ってた大学と、それに似たとこの資料。一応集めてやったから目通せ」
「ありがと、中村さん」
「ん。お前保育科に行くんだよな?」
「うん、一番向いてるかなって」
中村さんの言う通り、あたしは保育科のある大学に進むことにした。
シロが行く大学にも保育科はあるから、そこでもいいかな、なんて思ったりして。
「夏休み中に確実に決めとけ。その資料の中で気に入るとこがなかったら、また調べればいいから」
「うん、分かった」
中村さんは一応進路が決まって一安心って顔をしてた。「疲れた」なんて言って伸びをしてる。
「ね、中村さん」
そんな中村さんに質問。
「中村さんって、生徒に告白されたことある?」
「…あ?」
お前何言ってんだって顔。今そんな話してなかっただろって。
「だから、ここに来て…ていうか、教師になって生徒に告白されたことある?」
机に肘をついてため息をつく中村さんは、きっとあたしに呆れてる。