ねぇ、先生。
それが急に変わったから、心の中のどこかで焦ってたんだと思う。
「…何かあった?」
そう聞いたとき、咲良は無意識だろうけど、確かに…篠原先生の姿を探していた。
あぁ、やっぱり。
そう思ってももう遅かった。
思いっきり困った顔をしたから、それが答えなんだろうなって。
俺の知らないうちに何かがあって、いつのまにか2人はそんな関係になってた。
ハッキリ聞いたわけじゃないけど、多分もう手遅れなんだろう。
「っ、高橋!」
「あ…白城くん」
咲良を無理矢理引っ張って連れて行った張本人。俺を見つけると心なしか焦った表情になった。
「なぁ、咲良は…」
その言葉が続かなかったのは、聞かなくても彼女の走ってる姿を見つけたから。
…それがどこに向かっているのかも分かったから。