ねぇ、先生。

ここに来れば会えるっていうのは間違いじゃないけど、ほんとは…

「先生はいつでもここであたしのこと待っててくれるもんね」

先生が待っててくれるから会えるわけで、それがなくなればここに来たって全然意味がなくなる。

会えるのは先生のおかげ。


「んふふ、だって会えないと寂しいって泣くもんね、茉央ちゃんは」

「えっ…泣かないよ!」

「帰るときいつも、離れたくないって顔してんの。可愛いね、ほんと」

からかってる。絶対からかってる!

確かにここを出るときはいつも寂しいなって思うけど……そんな、離れたくないって顔なんて…してない、はず。


「ダメだよ、そんな顔したら」

優しくふにゃんと笑って、頭をポンッと撫でた。多分、先生の癖なんだと思う。

あたしが照れてるときも嬉しいときも落ち込んでるときも悲しいときも、先生はこうして頭を撫でてくれる。

それが嬉しくもあるけど、子供扱いされてるみたいでちょっと悲しかった。


「…なんで?」

帰りたくないって思っちゃダメ?
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