ねぇ、先生。

「生徒と付き合うってありなんですか?」

そっちがそんな態度なら、もう遠慮なんてしてやらねぇ。

ありなわけねぇだろ。

ふざけんな。あんたは教師で、咲良は生徒だろ。絶対そうなることはないはずなんじゃないのかよ。


「そんなこと聞きにきたわけ?」

「は?」

「わざわざ夏休みに学校まで来て、そんなことが聞きたかったの?」

前を向いたまま言ったけど、何となくいつもと雰囲気が違うことは分かった。

あんたいつもはもっとのんびりした口調で喋るだろ。

何だよ、咲良のことって分かった途端にそんなに変わるわけ?


「遠回しに探ってんの?」

空き教室のドアを開けて、先に入って行く。その後に続いて入ると「あちー…」なんて言って窓を開けてる姿が見えた。

何なんだよ、何でそんなに余裕なわけ?


「…探ってねぇよ。もう分かってんだよ、あんたと咲良の関係くらい。」

だから来たんだよ。

それは間違ってるって言うために。
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