ねぇ、先生。
「だけどさ、触れたあとにいつも後悔すんの。余裕ないくせにそんなことするから、自分で自分の首絞めてさ。必死に我慢するしかない。」
もう俺の言葉なんて聞こえてなかった。
いつだっけ。蓮がコンビニであの子を初めて見つけた日もこんな風に呑みながら話してた気がする。
″俺、あの子のこと好きになる気がする″
って言ってたっけ。
「蓮、お前生徒に何言われたのか知らねぇけど、離したくないならちゃんと捕まえとけよ。」
「…ユータらしくない。」
「そこは素直に分かったって言ってりゃいいんだよ。んで、お前呑みすぎ。」
だってやっと手に入れたんだろ?
俺知ってるから。お前がコンビニに行くたびにあの子に惹かれてたの。
初めて自分から手に入れたいと思った女の子なんだから、誰よりも大事にしたいって思って当然だ。
「…分かった。」
「その気持ち忘れんな。」
絶対、忘れんな。