ねぇ、先生。
「先生暑くない?」
「うん、大丈夫だけど。茉央ちゃん暑い?」
「ううん、大丈夫。」
きっとこういう身体的なことで無理してるんじゃないんだと思う。
だって別に疲れてるようには見えないし、いつもと変わらない先生だもん。
何かあった?なんて簡単に聞けない。だってあたしは全然変化に気づけなかったんだもん。
「ほんとに大丈夫?」
気づくと先生が心配そうにあたしを見つめてて、ドキッとした。
「俺、飲み物買ってくる」
「えっ、いや、ほんとに大丈夫だよ」
立ち上がった先生のシャツの裾をキュッと掴むと、先生は困ったように笑ってそれを優しく解いた。
「俺もちょっと休憩したいから」
だから行ってくる。そう言って先生は部屋を出て行った。
何でちょっと困った顔してたんだろう。
あたしワガママだった?
確かに、少しだけ先生の様子はおかしいのかもしれない。ほんとに、少しだけ。