ねぇ、先生。

「気にしてないつもりだったけど、多分ほんとはどこかで茉央ちゃんよりも気にしてたんだと思う。」

あたしよりも大人な分、あたしよりもずっとこの関係のことを気にしてたんだ。

やっぱり先生は大人だと思う。

好きって気持ちだけではやっていけないってことをよく分かってる。

あたしは先生と付き合えただけで満足してた。実際に浮かれてたから梨花やシロにもバレてしまった。


「先生、ごめんね。シロにバレちゃって。あたし分かりやすいみたいだから、これからは気をつける。」

「白城くんにバレたのは茉央ちゃんのせいじゃないよ。…まぁ、白城くんにはいつかバレると思ってたし。」

「何で?シロってそんなに鋭いかな?」

あたしが知ってるシロはそんなんじゃないよ。だって、いつもふざけてばっかりだもん。


先生は「気づかなくていいよ」なんて言ってあたしの頭をクシャクシャと撫でた。

気づかなくていいって?

「いいんだよ。むしろ白城くんにはバレてる方がいい。」

「どういう意味?」

「知ってくれてる方が俺には都合がいいんだよね。」

可愛い笑顔で誤魔化された。
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