ねぇ、先生。
シロも先生と同じように思ってたらどうしよう。気づいてないフリ?
「でも別に悪いことじゃないよ」
「え?」
「気持ちに気づいて意識するくらいなら、鈍感なままでいてよ。」
鈍感なままで?
「知らないままでいてくれた方がずっといい。今までと変わらずに。」
先生の言葉一つ一つが、シロの気持ちを明確に表してるような気がした。
多分、あたしが思ってる通りなんだろう。
だけど、あたしがそれをハッキリ自覚してしまったら、シロを今までと同じように見れないから。
先生はそれが分かってるからこんなこと言ってるんだよね。
「ごめん、これ白城くんに悪いね」
あたしの困った顔を見て、先生はこの話は終わり、と言ってまた空を塗り始めた。
「夏休み、意外と短いよね」