ねぇ、先生。
「夢がねぇなー。どんなやつか想像すんのが楽しいんだろ?」
「だって別に興味ないんだもん。」
先生には仲良くしてあげてって言われたけど、女のあたしがやることじゃない。
多分転校生もシロみたいな友達が出来た方が残り少ない高校生活を楽しめると思う。間違いなく。
「バカだなお前。どうすんだよ、すげーイケメンだったら。」
「だから、興味ないって。」
「…ふーん、あっそ。」
…あ、今のはまずい。
全部知ってるシロからしたら、先生がいるから他の男には興味がないって言ってるように聞こえたかもしれない。
…いや、実際そうなんだけど。
だって正直転校生にそんなに興味があったわけじゃないし、いくらカッコ良くても好きになったりしない。
「おっせーな、中村さん。」
「すぐ来るって。」
そんな会話のすぐ後、いつもと同じようにダルそうな中村さんが教室に入ってきた。もちろん、篠原先生も。
「中村さん、転校生はー?」
「うるせー白城。ちょっと待て」
楽しみにしてるシロを黙らせて、ドアの方に手招きをする。