ねぇ、先生。

先生と仲が良い人なら、悪い人なわけないって思ってたから。こうして加地くんを知る機会が出来て良かった。

これがなきゃ、多分卒業するまで加地くんと関わることなんてなかったんだろうな。少なくとも自分からは。

ていうか多分、先生と仲が良い加地くんじゃなかったら、今もこうして話したりしてないかもしれない。


「咲良、違うって。」

「えー、だって中村さん分かんないよ」

「加地も全然違う。お前らのペアどーなってんの。」

「俺も分かんないです。」

呆れてため息をつく中村さん。

振り返るとシロがノリノリでフォークダンスを踊ってて、少し焦った。

だってシロ、フォークダンスなんてやりたくなさそうだったし、踊れそうにも見えなかったのに。完璧なステップとリードで踊ってる。


「白城にできてお前らに出来ないわけないだろ。頑張れ。」

「ちょっと中村さん失礼!」

シロの反論する声が聞こえてきたけど、あたしたちはそれどころじゃない。

正直こんなの踊れる気がしないし、加地くんも踊れそうにない。だってさっきからステップ全然違うもん。

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