ねぇ、先生。

｢白城のこと。｣

この人、平然とした顔で爆弾落とすよね。

｢いくら鈍感でもさすがに気づくか。｣

｢…加地くん、ほんとに人のことよく見てるね。こんなに短期間でそんなことまで分かるの？｣

この人と会話するときはこうして上手く交わす方法を考えておかなきゃならない。

何となく、いつかあたしと先生の関係にも気づいちゃうんじゃないかって怖くなった。

もしそうなったとき、変に返答するんじゃなくてこうして交わした方がいい。

…加地くんみたいに鋭い人が相手なら特に、気をつけなきゃ。


｢だから、何となく分かるじゃんそんなの。ずっといて気づかないわけ？｣

｢…例えば？｣

そう聞くと、加地くんは少し考えてクラスメートの名前を何人か出して、誰が誰を好きか言い始めた。

その中には確かにあたしも聞いたことがある話もあって、加地くんはほんとに鋭い人だと思う。


｢蓮くんもさ、多分好きなやついると思う。あの人よく分かんねぇから相手は全く分かんねぇけど。｣