ねぇ、先生。
――――――
―――――――…
「何かあった?」
いつもみたいにふにゃんと笑いながら聞いてくる先生。筆を片手にあたしを覗き込んでくる。
「…先生、加地くんと仲良いよね」
「そう?」
「だって先生、加地くんと話すとき楽しそうだもん。」
先生分かってる?
加地くん、多分シロよりも鋭いんだから。この関係に気づくのも時間の問題かもしれないよ?
「…加地くんと何かあった?」
筆を置いて頭をポンポンと撫でてくれる。
「…あたしね、フォークダンスの練習のペア、加地くんになったの。」
「そっか、加地くんかー。」
「加地くんね、あたしにシロと付き合ってんのかって聞いてきたの。」
「…うん」
少しだけ先生がムッとしたのが分かって、不謹慎だけど嬉しかった。あたしとシロがそう見られてることに嫉妬してくれてるってことだよね。
「それで?何て答えたの?」