ねぇ、先生。
彼との親密度
ここ数日で加地くんとの親密度は確実に上がったと思う。
だって体育祭まで残り少ない日数、放課後は加地くんとフォークダンスの練習をしてたから。
加地くんはよく笑うようになったし、よう喋るようになった。
「加地くんってほんとに人見知りだよね」
「それ俺もすげぇ思う。」
隣にいたシロがあたしに共感するようにうんうんと頷く。
「最初来たときはすげぇ無愛想なやつだと思ってたけど、慣れたら普通にいいやつだし。な、加地。」
「別にいいんだけどさ、何で白城が毎回いるわけ?お前フォークダンス覚えてんじゃん。」
それはあたしも思ってた。
練習をしてるんだって話をしたら、シロも来るって聞かなくて。なぜか毎回シロもこの場にいる。
いるからってフォークダンスを教えてくれるわけでもなければ、邪魔してくるわけでもない。
ただここにいたいだけ、みたいな。
「俺も加地と話してみたかったし。バイト辞めたから暇なんだよー。」
シロもあたしと同じで受験生になるからと、夏休みでバイトを辞めたらしい。
そんなにバカじゃないからバイトと両立くらい出来そうだけど。