ねぇ、先生。
「ごめんね加地くん、あたしが連れて来たばっかりに。」
「別にいいって。もう慣れた。」
「そうだよね!よかった!」
先生も言ってたけど、シロと加地くんは意外と気が合うと思う。だから話せば仲良くなれると思ってた。
思っていた通り、2人は教室でもよく話すようになったし。
「にしてもあっちーな。」
「休憩しよっか。あたしジュース買ってくるよ。何がいい?」
「俺も行く。」
立ち上がろうとしたシロを制して、何がいいかともう一度聞く。ジュースぐらい1人で買いに行くよ。
「加地くんは?何がいい?」
「炭酸。」
「シロは?シロも炭酸でいい?」
「んー、いいよ。」
座り込んで手で顔を扇いでる2人を残して自販機がある場所まで急いだ。
何となく、あの日からシロと2人になることを自然と避けてた。話すことはあっても、2人になることはない。
それがシロにバレてなきゃいいけど。