ねぇ、先生。

チーム対抗のリレーに出る梨花は、行ってくると言って入場門の前に走って行ってしまった。

先生が出るなら見たいな、なんて思ってグラウンドを見ようとするけど、人が多くてそれどころじゃない。

テントから出なきゃ確実に先生の姿は見えないし、梨花も加地くんの走ってるとこも見えない。

あ、シロもリレーだっけ。


「…暑い…」

せっかくだから応援しようとテントから出ると、やっぱりテントの中よりももっと暑くてクラクラする。

タオルを頭に被って見える位置まで来ると、ちょうどチーム対抗のリレーの選手が入場してるとこだった。


梨花はあたしに気付いて大きく手を振って、それを見たシロも同じように手を振ってくる。

加地くんはそれを呆れたように見てた。

どうやら加地くんがアンカーらしい。

あ、梨花は最初に走るんだ。


パンッと音が鳴ってリレーがスタートしたけど、大きな声を出して応援する元気は残ってなかった。

< 267 / 451 >

この作品をシェア

pagetop