ねぇ、先生。
放課後の美術室
篠原先生の言っていたとおり、あの日から篠原先生の服装はガラリと変わった。
黒いチノパンに白いシャツ。それに毎日コロコロと色を変えるカーディガン。
篠原先生にピッタリの、緩い服装。
チノパンの裾は絵の具で汚れてて、シャツにもカーディガンにも所々絵の具が付いてて、美術の教師って感じ。
「咲良、俺とアイス食べに行こ?」
「遠慮しとく。」
「即答だな。せっかく俺今日バイト休みなのにー。」
「何でシロとアイス食べに行かなきゃなんないの。」
帰りのホームルーム中、後ろの席のシロがお構いなしに話しかけてくる。
新学期が始まってもう一週間になる。
この一週間、考えることといえば9割篠原先生のことだった。
美術室には一度もいってないけど。
「3年目の仲だろ?」
「あたし、今日は用事あるの」
「なーんだ、つまんね。じゃあまた今度行こうぜ。」
「はいはい、今度ね。」