ねぇ、先生。

…先生と歳も近いんだ。

オマケに美人?

……こうしてここにいると、先生に似合うのはこういう女の人なんじゃないかって思えてきた。

美人で優しくて大人で……文句のつけどころもない。先生もこの人が相手だと隠す必要もない。


「今日はよく水分をとること。いい?」

「…はい」

「もう少し休んでもいいけど、どうする?荷物まとめてくる?」

勝手に考えてるだけだって分かってるけど、吉野先生の近くにいるのがどうしても嫌だった。

比べても仕方がない。

だって歳なんてもうどうしようもないことだし、あたしはどう頑張っても吉野先生みたいな大人の女にはなれない。


「…荷物、まとめてきます。」

先生はちゃんとあたしのことが好きだって分かってるのに、不安になる。

こんな人が近くにいたらあたしなんかより彼女を選ぶんじゃないかって。

…どうしてこんなことしか考えられないんだろう。

嫌な考えを無理やり振り払って、重い足を教室へと向かわせた。

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