ねぇ、先生。

「先生は……あたしといてもそんな気持ちにならないのかと思った。」

あまりにも何もしてこないから。逆にこっちが不安になるくらいだった。

「そんなわけないでしょ。」

あたしも先生の背中に手を回すと、先生は嬉しそうにふにゃんと笑った。


「ほんとは茉央ちゃんがここに来たときはいつもキスしたいって思ってるし、今も抱きたいって思ってるよ。」

…抱きたい?

「…えっ…!」

「んふふ、顔真っ赤。」

だって、そんな……今まで何もなかったのにいきなり抱きたいなんて言われて動揺しないわけないでしょ!


「大丈夫、茉央ちゃんが卒業するまでちゃんと待つから。それまでは絶対に手出さないよ」

あたしが卒業するまでって言うと、あと5ヶ月もない。先生からしてみれば長いのかもしれないけど、あたしにはすごく短いものだ。

だってあと5ヶ月もすれば、先生とそういうことがあるかもしれないんだから。

…でも、これはきっと先生なりのケジメなんだろうな。

こんな関係だからこそ、せめてそれらはちゃんと卒業した後だって。


「…キスも?」

「なに、してほしいの?」

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