ねぇ、先生。
「最近の高校生って怖いよね」
「何だよいきなり」
「茉央ちゃんには俺がいるって分かってて、それでも全然引かないやついんの。」
メニューをボーッと眺めながら言った蓮。
「それって、この前の?」
「いや、白城くんじゃなくて別の人」
「…お前の彼女モテモテじゃん」
まぁ、男子高校生ならそれが当たり前の反応だと思うぞ、俺は。
「何かさ、白城くんのときとは違って、俺もちょっと怖いんだ」
「は?」
「ほんとに奪ってっちゃいそうで」
…何だその弱気な発言。
高校生のときのお前に聞かせたらビックリだぞ。間違いなく。
「あの子がお前以外の男見るとは思えねーけどな。そんなに心配することか?」
俺の言葉なんて聞こえてないみたいに店内を見回して、小さな声で言った。「そうだといいんだけどな」と。
「ほんと、困るなー」
「何が?」