ねぇ、先生。
「しばらく蓮くんと2人で話せなくなるだろ。これからのこととか考えることいっぱいあるのに。」
「…先生、まだ先生達に問い詰められてはないみたいだけど…」
それも時間の問題だろう。
噂とはいえ、先生みたいに若い教師が話のネタとなれば、40代の教師が噂になるよりも遥かにリアルだ。
現にこうしてみんながはしゃいでるのは、きっと篠原先生絡みだったから。
「…どうすんの?」
「どうするって……シロ、それどういう意味で言ってるの?」
シロが目をそらした。
言いづらそうなのを見てれば分かる。
…別れるのかってことだ。
「あたしは別れたくないよ。」
そんなの、当たり前でしょ?
いけないことだって分かってる。でも、やっと想いが伝わってこうなれたのに、別れるなんて嫌だよ。
それは先生も一緒だよね?
「咲良…でも…」
シロが何か言いかけたとき、教室のドアがガラリと開いて中村さんと先生が入ってくる。
当然、生徒は先生に少し好奇の目を向けてて、先生はそれに苦笑いだった。