ねぇ、先生。
やっぱり先生1人でいるんだ。
そりゃそうか。噂が出てるんだから、きっと女子生徒なんて誰が来ても美術準備室には入れないよね。
「今日電話して、ちゃんと話せ」
「…うん」
あたしが頷いたのを確認すると、中村さんはやっとホッとしたように笑った。
中村さん協力しないって言ってたのに、ものすごく助けてくれるんだから。
「…中村さん」
「ん?」
「ありがと」
「…どういたしまして。」
「話、聞いてくれない?」
「…お前絶対俺のこと友達だと思ってるよな。俺教師だぞ。」
なんて言いながらもちゃんと聞いてくれるところが中村さんらしい。
「で、今度は何だよ?」
ノートパソコンを起動させながらあたしの話もちゃんと聞いてくれる。中村さんは結構忙しいから。
「…あたしね、加地くんに告白されたよ」
明るくなった画面から目を離してこっちを向いた中村さん。
「…は?」