ねぇ、先生。
『俺やっぱ茉央ちゃんのこと好きだ』
「えっ!」
『んふふ、おやすみ』
あたしがおやすみって返せないでいると、先生はこれ以上電話を長引かせないように「また明日」と言って切った。
突然あんなことを言い出すから、心の準備も出来てないし何も返事を返せなかった。
やっぱりあたしも先生が好きだ。
先生に負けないくらい好き。
電話で声を聞くだけじゃ足りない。会って話したい。…今、それが出来ないのがもどかしい。
あたしが好きなのは先生だけ。
…先生、だけ。
加地くんがたまに心の中に入ってくるのは、ただ不安定だったから。思ってることを先生に言わなくて勝手に不安定になってたから。
先生はちゃんとあたしが好きだって。
そう言ってくれたんだから、もう何を見ても平気なはずでしょ?辛くなったりしないでしょ?
…好きでいてくれてるんだから、他の女の子の話してても大丈夫だよね?
…あたしもう、大丈夫だよね?