ねぇ、先生。
揺れるココロ
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―――――――…
一度目の電話はあたしからだったけど、そのあとはいつも先生からだった。
学校で話せない分電話でたくさん話して……だから頑張れたのに、少し前から先生からの電話はパタリとなくなった。
「……お前さ、ここ休憩所じゃねーの。分かるか、お前が休む場所じゃなくて、俺が仕事する場所なんだよ。」
「知ってるよ、体育準備室だもん」
「まあまあ、いいじゃん中村先生。茉央がこんなに落ち込んでるんだから」
放課後、中村さんに話があると言った梨花についてここに来た。ここに来れば何とかなる気がしてたから。
協力はしないって言った中村さんだけど、いつもどうにかしようと動いてくれる。
……これか、中村さんが言ってた贔屓ってやつ。3年も担当してたら情がわいてくるってやつ。
「知らねーよ。つーか話があるのは高橋だろ?何だよ、進路のことか?」
「そうですよ。あたしが受験する学部のことなんですけど…」
梨花と中村さんが進路についての真剣な話を始めて、ポツンとなってしまったあたしは勝手に椅子に腰掛けた。
本当にここの部屋、いつ来ても大体中村さんしかいないんだよね。
だからこうして入り浸ってしまう。
中村さんに迷惑なのは分かってるけど、ここに来ると少し気分が落ち着くから。