ねぇ、先生。
「はーい、分かりました」
梨花の進路の話は数分で終わって、またあたしを見た中村さんがため息をつく。
「…で、今度は何だよ。お前ほんと忙しいやつだよな。」
梨花もあたしの横にあった椅子に座って、少し困ったようにあたしを見てた。
「…中村さん、先生に連絡先聞いてくれたでしょ?あの日から結構連絡とってたんだけど…」
「問題ねぇじゃん。」
「違うの、ちょっと前から全く連絡来なくなって…中村さん何か知らない?」
中村さんなら何か知ってるんじゃないかって思ってここに来た。
「俺は知らないけど。」
「忙しいとかじゃないの?」
梨花が言った言葉に中村さんが首を横に振る。忙しいわけじゃないってことだ。
「帰る時間は前と変わってねぇし、行事もないから特別忙しいってことはないと思うけど。」
だったら何で?
急にパタリと連絡がなくなったってとこが気になった。だって毎日のように連絡をとってたのに。