ねぇ、先生。

「え…?」

何を考えてるんだろう。

どういうつもりでこんなことを言ってるんだろう。

「見せる人がいる方が、俺もやる気になるから。咲良さんのために描く。」

…天然なのかな。

あたしのために描くだなんて、そんなセリフ簡単に言っちゃダメだよ。


「毎週火曜日と木曜日なら、美術部休みだから。」

「…いいんですか?」

キョトンとした顔であたしを見つめる彼は、自分の立場を分かっていない。

「あたし、一応女子生徒なんですよ?2人でいるとこ見られるのは、先生まずいんじゃないですか?」

なんて言ってみたけど、本当は嬉しくてしょうがない。


「あーそうだね…」

考えるような素振り。

とてもじゃないけど、7歳も年上だなんて思えない。
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