ねぇ、先生。

「…なん、で…?」

震える声を絞り出すと、涙も一緒にポタポタ落ちていった。

『ごめん、俺もう少しあの学校で教師続けたいから。バレたら一発で飛ばされるでしょ。嫌なんだよね』

ほんとに先生なの?

先生、そんな風に思いながらあたしと付き合ってたの?そんな軽い気持ちであたしの気持ちに答えたの?


『茉央ちゃんもこれから受験なんだし、その方が都合いいでしょ』

「都合いいって……そんなの…」

『とにかく、もう来ないでね』

先生は一方的にそう言って、電話を強制的に終わらせた。


何?何で?

あたし、先生と久しぶりに話したくて、勇気出して電話したんだよ。こんな話がしたかったわけじゃない。

別れ話が聞きたかったわけじゃない。

先生の一方的な言葉が頭の中をグルグル回って、またポタポタと涙が落ち始めた。

夢であって欲しいと頬をつねっても、鋭い痛みが走るだけだった。

呆気なかった。こんなにも簡単に終わってしまうなんて思ってなかった。

「…っ、いたい…っ」

痛いのは頬だけじゃなかった。体も心も悲鳴をあげてるような気がした。

< 364 / 451 >

この作品をシェア

pagetop