ねぇ、先生。
「…なん、で…?」
震える声を絞り出すと、涙も一緒にポタポタ落ちていった。
『ごめん、俺もう少しあの学校で教師続けたいから。バレたら一発で飛ばされるでしょ。嫌なんだよね』
ほんとに先生なの?
先生、そんな風に思いながらあたしと付き合ってたの?そんな軽い気持ちであたしの気持ちに答えたの?
『茉央ちゃんもこれから受験なんだし、その方が都合いいでしょ』
「都合いいって……そんなの…」
『とにかく、もう来ないでね』
先生は一方的にそう言って、電話を強制的に終わらせた。
何?何で?
あたし、先生と久しぶりに話したくて、勇気出して電話したんだよ。こんな話がしたかったわけじゃない。
別れ話が聞きたかったわけじゃない。
先生の一方的な言葉が頭の中をグルグル回って、またポタポタと涙が落ち始めた。
夢であって欲しいと頬をつねっても、鋭い痛みが走るだけだった。
呆気なかった。こんなにも簡単に終わってしまうなんて思ってなかった。
「…っ、いたい…っ」
痛いのは頬だけじゃなかった。体も心も悲鳴をあげてるような気がした。