ねぇ、先生。
「そっか。違うかー……じゃあごめんね、俺には何もしてあげられない」
先生は笑ってるはずなのに、いつもみたいなあたしの好きな笑顔じゃなかった。
「先生…っ」
「二度とここには来ないでね」
「やだ、先生…!」
ほんとに終わり?
嘘だよね、先生。
「茉央ちゃん、俺のこと困らせないでよ」
突き放すように言った先生が、あたしの知ってる先生とは違う人に見えた。
「もう終わり。ただ先生と生徒に戻るだけだよ。元通りになるだけ」
「っ…そんなの、無理だよ」
戻れるわけない。
だってあたしはまだ先生が好きなままで……違う。最初からあたしにとって先生は先生じゃなかった。
どこまで戻っても、あたしの中では先生と生徒の関係には戻れない。
「茉央ちゃんが無理でも俺はそうするから。…またここに来るって言うなら、俺はもうここに1人でいることやめるから」
…あたしは先生の好きな場所を奪おうとしてるの?大事な場所なのに?
…先生はほんとにここが好きで、職員室よりもここがいいって言ってここにいるのに、あたしのせいでそれが出来なくなっちゃうんだ。