ねぇ、先生。
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―――――――…
この時間になると電気を点けないと周りが見えないくらい暗くなる時期になった。
やっぱり咲良を1人で帰らせるんじゃなかったな、なんて思いながら美術室へと足を向かわせる。
ノックなんていらないよな。
だってどうせここには蓮くん1人しかいないんだから。
電気も点いてない美術室のドアを開けると、誰もいなかった。だけどきっと蓮くんは奥にいる。
ただ、奥の部屋も電気は点いてないけど。
物音一つしないから、もしかしてここにはいないのか、なんて思いながら美術準備室のドアへとたどり着いた。
いてくれよ、頼むから。
俺言いたいこといっぱいあるんだよ。
泣いた咲良の代わりに、ふざけんなって言ってやるんだ。その程度の気持ちだったのかって、怒鳴ってやるんだ。
―ガチャ…
真っ暗な部屋の中。
一瞬いないのかと思ったけど、いた。