ねぇ、先生。

机に伏せてる蓮くんの姿が微かに見えたから、電気のスイッチを押した。

急に明るくなったことに驚いたのか、また別のことに驚いたのかは分からないけど、蓮くんは立ち上がって振り返る。


「…白城くん」

ガッカリしたような、安心したような顔で俺を見るから、多分″誰か″が来ることを期待してたんだと思う。

「俺じゃ不満ですか。」

「…いや…何?俺に用事?」

なぁ、あんたもしかして咲良が来ることを期待してたわけ?


「どういうつもりだよ」

俺に用事?なんて聞く蓮くんを見るとフツフツと怒りが湧いてきた。

分かってんだろ。俺が何でここに来たか。

「……茉央ちゃんのこと?」

「それ以外にねぇだろ」

何で泣かせるんだよ。

好きなら、大事なら、泣かせんなよ。

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