ねぇ、先生。

――――――
―――――――…

この学校に赴任してから先生は、あたしが働いてるコンビニには来なくなった。

忙しくなったからなのかもしれないけど、少し寂しかった。


その代わりに毎週火曜日と木曜日に、あたしはここに通うようになった。

ちょうど火曜と木曜はバイトがないから、断る理由もない。

……絶対来なきゃならないわけじゃないけど、あたしが先生に会いたいから。


副担だから毎日教室には来るけど、話すこともなければ近づくこともない。

先生は女の子に人気だし、それだけじゃなくなぜか男子からも人気で、あたしが近づけるような状態じゃない。

ここに来れば、先生はあたしとだけ話してくれる。だからこうやって来てしまう。

…独り占めに出来るような気がするから。


―ガラ…


いつもと同じようにドアを開けると、少し経ってその奥のドアが開く。

「あ、来た」

「来いって言ったの先生でしょ?」

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