ねぇ、先生。
「バレないかもしれないじゃん」
俺何でこんなに必死なんだろう。
チャンスじゃん。
蓮くんが咲良と別れたなら、俺にだってまだ可能性はあるかもしれないのに。
「そうだけど、俺は茉央ちゃんだってバレたときの方が怖いから」
咲良のことは好きなのに、2人が別れるのは嫌だった。
「…もうすぐ卒業するじゃん」
「期間なんて関係ないよ」
もう俺が何を言ってもダメなのかもしれない。気持ちは変わらない。
「…蓮くんそれでいいの?」
絶対後悔する。
「まだ咲良のこと好きなんだろ」
やっぱりあんな選択しなきゃよかったって思う日が来ると思うんだ。
「好きだよ」
それだけ迷いなく言えるのに、何で離れようとするんだよ。どうしてわざわざ辛い道を選ぶんだよ。
「でも、もう決めたんだ」