ねぇ、先生。

ユータ side

｢え、別れた！？｣

｢うん、別れた｣

突然呼び出して来たかと思えば、座るなり別れた、なんて言い出した蓮。

｢いつ！！｣

｢２週間前くらいかな｣

平然を装ってるけど、様子がおかしいのは見てて何となく分かった。


｢２週間前って…お前、何ですぐ言わないんだよ。つーか何で。前言ってたことと随分違うよな｣

手放すつもりはないっていう言葉を信じていたから、別れない別の方法を考えたんだと思っていた。

別れるなんて、蓮が一番選ばない道だと思っていたのに、どうして。


｢手放さないって、言ったよな｣

混乱する俺を見て苦笑いした蓮は、俯いてポツリと言った。

｢…ごめん、出来なかった｣

そんな風に言われたら、もうこれ以上責めることなんて出来なかった。

最初から半端な気持ちだったってことは絶対にない。だから、こうなってしまったのも蓮がきちんと考えて出した答えなんだろう。

でもそれで、茉央ちゃんは納得したのか。