ねぇ、先生。
「俺が辞めたら責任感じるし、茉央ちゃんはそのあとも学校に行かなきゃなんないでしょ。俺がいない場所で、1人で辛い思いさせらんないよ」
そこまで茉央ちゃんのことを考えられるなら、あの子がどうしてほしかったか分かったはずだろ。
これ、間違ってるって。
納得してんのはお前だけだって。
「…バレないように気をつければ、どうにかなったかもしれないだろ」
「俺もそう思ってた」
「じゃあ何で…」
「一度別れて、茉央ちゃんがずっと俺のことを好きでいてくれるかは分かんないじゃん」
…ほんと、バカじゃん。
あの子なら絶対に大丈夫だと思った。
卒業するまで話せなくたって、絶対に変わらず蓮のこと好きでいてくれるって。
「すぐ近くに大事にしてくれるやつがいるのに、卒業するまで俺のこと好きでいてほしいなんて言えない」
「…何だそれ、下手な言い訳だな」
何年一緒にいると思ってんだよ。
そうじゃないだろ。
「…ヤダな、ユータにはすぐバレるから」
「嘘ならもっと上手くつけよ。」