ねぇ、先生。
「……もし付き合ってるならさ、ここには来ない方がいいかなって。」
そう言いながら絵の方に向き直ってまた手を動かし始めた。
「何でですか」
来ない方がいいって。
あなたが来いって言ったのに。
絵を描くのを見ててくれた方がやる気が出るからって、そう言ったから…一番の理由はあたしが会いたかったからだけど。
「先生とはいえ、俺も一応男だから。俺が良くても白城くんは嫌かもしれないし…って思って…」
「付き合ってません。」
「え?」
俯いていた顔を上げてこっちを向くと、あたしをジッと見つめる。
「だから、付き合ってないです。」
「…ほんとに?」
「はい。シロのことそんな目で見たこともないし、ありえないですよ。」
だから…
「だから、また来てもいいでしょ?」