ねぇ、先生。
「後悔してんだろ」
「してるよ」
「この先もずっと、そのまま」
「だろうね」
俺分かるよ。
俺は蓮じゃないけど、何となくこの先こいつの気持ちがどうなるか。
「蓮、俺思うんだけどさ」
「なに?」
「お前多分、またいつか抑えが効かなくなって、そこまで積み上げてきたもんぶち壊すよ」
それはいつか分からないけど。
もしかしたら1ヶ月後かもしれないし、茉央ちゃんが卒業した後かもしれない。
でも、言い切れる。
こんな風に終わらせようとして、それで終われるはずがないって。
「…そうかもしれないね」
きっと、ここで無理やり抑えた気持ちはまたいつかどこかで溢れてきて、今度は歯止めが効かなくなる。
「そうなったときの方が怖いよ、俺は」
茉央ちゃんを今以上に泣かせてしまうんじゃないかって。
自分で言っておきながら、ほんとにそうなってしまいそうで少し怖かった。
蓮は否定しなかったから、きっと自分でもそうなるかもしれないって思ってたんだろう。
「でも、抑えられる自信もない」
蓮のその言葉に、何も返せなかった。