ねぇ、先生。
受験生
本格的に受験生になったあたしたちにクリスマスなんてものは存在しないのと同じようなもので、何事もなかったかのように過ぎていった。
2年連続でクリスマスパーティをしようと言ってきてたシロも、今年はそれどころじゃなさそうだったし。
それでも、4人一緒だったけど。
「受験生にはクリスマスも正月も関係ねーもんなー。辛いわ。」
「センター試験近いもんね」
「そっちが本命だからな。」
「…みんな、受かるといいね」
数日後に控えたセンター試験で大学を決めてしまいたいから、冬休みもサボらないように4人で勉強した。
…その方が色々考えなくて済むし。
「大丈夫だよ、やれることはやった。」
あのシロが大好きなイベントを…クリスマスや正月を無視して頑張ってたんだ。
きっと受かる。大丈夫。
「もしこれで全員決まったら、自由登校だからさ、ちょっと息抜きしようぜ」
「…うん、そうだね」
自由登校。
…そっか、受験が終わったらここに来る必要は無くなるんだ。卒業式の日だけここに来て、それで終わり。