ねぇ、先生。

――――――
―――――――…

「良かったな、卒業式前に合否が出るから卒業式では思い切り泣けるぞ。」

「…中村さん、そのセリフ受かってから言ってよ」

「何言ってんだ。もう試験は終わってんだから、あとは待つだけだろ」

センター試験を無事に終えたあたしは、何となく体育準備室に来てしまった。

中村さんはめんどくさそうな顔をしながらもココアを出してくれる。


「…ありがと」

「300円な。」

「高いよ。」

中村さんらしいな。なんて思って笑うと、頭をポンと撫でられた。

「笑えるなら大丈夫だ。自信もって待ってろ、な?」

「…なんか…なんかすごい先生っぽい」

「は?俺ずっと教師だから。」

何となく来てしまったのは、不安だった気持ちを中村さんならどうにかしてくれるんじゃないかって思ったから。

やっぱり、こうして安心できた。


「あたし、来年からも中村さんが担任だと頑張れるのになー」

「わー、お前可愛いこと言うね」

< 417 / 451 >

この作品をシェア

pagetop