ねぇ、先生。
「…やだって言っても中村さんはそうさせるんでしょ?」
「そりゃ、そうだろ」
「…あたしが良くても、先生はもうあたしと話してくれないかもしれないよ」
何も言わずに卒業した方がいい。
そう思っていたけど、中村さんと話してるとその気持ちも変わってくる。
もしかしたら、きちんと終わらせて卒業しないとズルズル引きずってしまうのかもしれない。
…きっとそうなる。
「俺から言っとく」
「何を話せばいい?」
「何だっていいよ、そんなの。怒ってもいいし泣いてもいいし、それはお前が決めることだろ」
先生の前で怒ったり泣いたり出来てたら、今こうなってない気がする。
それが出来なかったから、少しずつ不安が積もってしまった。
先生はあたしのそういうところに嫌気が差してたのかもしれない。
「最後だもんね」
何を言ったって、毎日顔を合わせてた学生生活は終わるんだから。
だったら中村さんが言う通り、あたしが思ったことをきちんと伝えるべきだ。
前に進むためにも。