ねぇ、先生。
まだ迷う気持ち
「あー、気分が楽」
ゴロンと寝転んだシロがポツリと呟いた。
あたしも梨花も加地くんもその場にいて、シロと同じようにボーッとしてた。
つい数日前に合否が発表された。
「よかったね、全員合格で」
「ほんと、一安心だよ」
無事に4人とも同じ大学に合格して、春からも今と同じように通うことになる。
「なんて言ってるうちにもうすぐ卒業だなー。あっというまっつーか、実感わかねぇよな。」
シロの言う通り、大学の合否が出るのを待っているうちに、あっというまに自由登校になった。
大学から届いた課題をやるといっても、毎日やらなきゃ終わらない量じゃない。
そうなればやっぱり暇になってこうして集まってしまう。
「学校行きてーなー。」
「自由登校なんだから行ってくればいいじゃない。」
「まだ受験終わってないやつらからしたら、浮かれて遊びに来たやつなんて嫌味でしかないだろ」
シロと梨花はそんな会話をしてて、少し中村さんに会いに行こうかな、なんて思ってた気持ちをかき消した。