ねぇ、先生。
そうだよね。受験が無事に終わったなら変に学校に行かない方がいい。
…先生にも会わない方がいいし。
「うわ、もうこんな時間」
「ほんとだ、帰らなきゃ」
いつもみたいにシロの家に集まってのんびり課題をやって、こうして時間が過ぎると帰る。
シロは当たり前みたいに立ち上がって上着を着ると、あたしたちと一緒に外に出て歩き出す。
ほんとは課題なんてほとんど進んでないけど、4人とも暇な日はこうして自然と集まるのが当たり前になってた。
そうしてるうちに、この流れも当たり前になっていた。
「寒いな」
「加地くんいつも薄着だよね」
「咲良は着込みすぎじゃん」
シロが梨花を家まで送って行って、加地くんがあたしを家まで送ってくれる。
そんなのが当たり前になった。
最初は1人でも大丈夫だからと断っていたけど、それでも送ると言う加地くんに負けてこうなってる。
はたから見たら付き合ってるように見えるかもしれないけど、もちろんそういう関係じゃない。