ねぇ、先生。
ただ先生は、あたしが来ることを知っていてこれを用意したんだ。
それが何を意味するのか。
…要するに、最初からここであたしに会う気はなかったってこと。
卒業おめでとう、というメッセージは、直接言わないから代わりにってこと。
それならこんなことせずに、ただ無視してほしかった。先生は優しいから、そんなこと出来なかったんだよね。
それならいいじゃない。
先生はもうほんとに終わらせようとしてるんだから、それで。
それが分かってるのに何でだろう。
「っ…やだ…」
涙は自然と溢れてくるし、もう一度前みたいに先生にあたしを見てもらいたいと思ってしまう。
このまま終わってしまうのが、やっぱり嫌でたまらないんだ。
結局は口だけだったのかもしれない。